危険物取扱者 乙四と相性の良い資格
国家資格「危険物取扱者 乙四」の資格は、周辺の資格を取ることでかなり広い範囲の業務ができるようになるため、ポテンシャルがとても高い資格といえます。
ここでは、乙四と一緒に取れば職の広がる資格を紹介していきます。今後のキャリア戦略として考えてみるのもいいかもしれません。
他の乙種試験
危険物取扱者試験では、乙種のうち1つでも免状を取得していると、他の乙種試験において「法令」と「物化」の2科目が免除されます。そうなると本試験の範囲は「性消」の10問のみになります。乙4を取ったあとに他の乙種を取るのが、効率がよい順番になります。
また、すべての危険物を取り扱うことができる甲種の受験資格については、乙種のうち、4つの類の免状取得で受けることができます。
甲種危険物取扱者
乙種危険物取扱者を取得した人は、すべての危険物を取り扱うことができる甲種を受けることができるようになります。受験資格は、①乙種の4つの類の免状を取得するか、②乙種を取得してから2年以上の実務経験があることです。危険物のプロフェッショナルである甲種危険物取扱者として活躍できる職場は以下の通りです。
- ガソリンスタンド
- 石油貯蔵タンク
- 研究機関
- 倉庫
- ビルメンテナンス
- 危険物保安監督者
大型、大型けん引免許&危険物取扱者
危険物を輸送(移送)するためには、危険物取扱者の資格が必要です。移送する危険物に合った危険物取扱者免状を持つ者が乗車する必要があります。
危険物取扱者と大型自動車免許、大型自動車牽引免許を取れば、タンクローリーで移送することができるようになります。
タンクローリーは大型自動車が一般的ですが、中型や普通自動車運転免許でも扱える車輌もあります。
石油製品の輸送は社会インフラや生活を支える重要な役割を果たしており、危険物取扱者の資格と自動車運転免許を組み合わせることにより、この役割を担うことができます。大きな災害が発生した場合には、被災地の生活や復旧作業を支えるエネルギー供給源としての役割も担うことができます。
普通免許
普通免許があれば、家庭や工事現場など比較的小規模な場所に、灯油や軽油などの危険物を移送することができます。
ビルメンテナンス
「ビルメン4点セット」というのがあります。
ビルメンテナンス業界で強く取得が推奨されている4つの資格です。以下の4つになります。
- 第二種 電気工事士
- 危険物取扱者(乙種第4類)
- 2級 ボイラー技士
- 第三種 冷凍機械責任者
このうち、ビルメンテナンスの業務では、「第二種電気工事士」が業界で最初に取得を勧められるほど最も重要な資格になります。ビルメンテナンスで管理・メンテナンスをするのは、電気設備、空調設備、給排水設備、消防設備などです。
第二種電気工事士
「乙4」と「第二種電気工事士」を取得すれば、設備系・ビルメンテナンス系の求人が確保できます。コンセントやブレーカー、照明器具の工事をするには電気工事士の資格が必要となります。
また、電気工事士の免状取得により、消防設備士の試験科目が一部免除されます。
電気工事士の資格を用いて働く場合は、消防設備士と電気工事士両方の知識が必要となることが多いですので、消防設備士の資格も取得しておくのがいいでしょう。
消防設備士
消防設備士の職務は、危険物取扱者乙種4類と相性がよく、乙4の必須となる火災の起きる可能性の高いところであれば、消化器の設置も必要なところが多いです。
例を挙げると、タンクローリーでは消火器の設置が必須となってます。
また、消防設備士の試験勉強の範囲は乙4と被っており、試験の主催者が消防設備研究センターで同じであることから、出題傾向も同じです。多くの論点が「学習済み」となっているので、受験勉強もその分楽になります。
ボイラー技士
乙4を取った後の取得をおすすめする資格に、ボイラー技士があります。
ボイラー技士免許を取得すると、ビル・学校・病院・工場・温泉施設などボイラー設備のある場所で活躍できるようになります。ボイラー設備を点検したり、安全に管理する業務です。
ボイラーや非常用発電機の燃料に危険物取扱者の扱う重油等が使用されているので、出題される知識が被っています。時間を開けずに受験すれば労力が少なくてすみます。また、乙4と組み合わせるとビルメンテナンスの業務で活躍できます。
第三種冷凍機械責任者
第三種冷凍機械責任者は、業務用の空調や冷凍庫などに使われる冷凍機械設備を管理するための資格です。冷凍機械がある工場やビルなどでは、必ず有資格者を設置する必要があります。
また、この第三種冷凍機械責任者の資格と乙4と組み合わせることでビルメンテナンス業務で活躍できます。ビルメン4点セットの一つとして、重要視されている資格です。
このように、様々な資格を組み合わせることで、幅広い業務に対応することができるようになります。業務の幅も転職の幅も広がりますので、参考にしてみてください。